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◆絶対距離を想定できるか?宇宙論Q&Q

妄想広がる宇宙の話です。

宇宙は137億歳だとされています。

今観測できる最も遠い地点発の光は137億年前に発せられた訳ですが、その場所は、 今、地球からどのくらいの距離にあるのでしょう?

確かに光は137億年かけて地球にやってきたのでしょう。
でも光が137億年かかった距離が137億光年といえるでしょうか?
空間が広がっているとすれば、光が通りすぎた空間は既に広がっていて 同じ場所から今光が発せられたとしてももはや137億年では地球に 到達することはできないはずです。

例えば、空間が年あたり30%大きくなる世界で、3光年離れたB地点 からA地点に向けて光が来るとします。
空間は徐々に大きくなりますが、図示しやすいように、単純化し、1年毎に パッと広がることとします。

空間が広がっていなければ、最初の1年走った時点で残りは2光年となります。

しかし空間は年率30%で広がっていますので、 1年後の残り距離は2.6光年となります。

これを繰り返し、結局4.7年かかって到着することになります。

到着時、A-B間の距離は図の上では8.6光年にまで伸びています。

さて、到着時点でA-B間の距離はどの位といえばいいのでしょう?

  • 4年半前の位置のはずなので3光年(歴史的絶対距離)
  • 光が到達するのに4.7年かかったので4.7光年(光経路距離)
  • 実際には8.6光年先にあるはずなので8.6光年(現絶対距離)

一般的な宇宙論では光が到達するのにかかった時間を直接 距離換算しているようです(光経路距離)。

図は絶対時間、絶対空間があるものとして書かれていますが 本当にそのようなものを想定してよいものか疑問があります ので、光が通ってきた歴史的距離を距離とするのは正しい 選択のようにも思います。

しかし、本当に絶対時間、絶対空間を想定できないものなの でしょうか?
だとすると、「現宇宙が10cmのサイズだった頃」などという 場合の10cmはいったいどういう距離なのでしょう?
図での昔の3光年、今の8.6光年の事ではないでしょうか?

つまり、

  • 昔の距離は絶対距離
  • 現在の距離は"光経路距離"
で計るという矛盾を犯しているのではないでしょうか?

サイズ10cmの宇宙の話をするなら、現在の見える宇宙の半径は 137億光年ではなくもっと広がった推定絶対距離を用いなければ ならないのではないかと考えるのです。

### なお
"10cm"自体に深い意味はありません。一千万分の1メートルでも 100mでも変わりはありません。

### 与太話
なにやらいつまでたっても元金が減らない定額返済ローンの話の ようにも見えてきました。
例えば、元金3光年で年率が50%を超えると 、無限年かかっても到達 しません。
(途中で率が小さくなると、光が到達するようになります。いわゆる インフレーション宇宙論ですね。)

借金理論では既に払った距離に関しては、その後伸びる ことを考える必要はないということになります。
元金10cmの宇宙が137億光年払って今に至った。

### 補足(2009/5/20)
"絶対距離"という表現はちょっとまずかったかも知れないですね。
観測者のいる静止座標系において、情報到達時間 が有限である事により、現実には 観測できていない位置について想定できるかということです。
全ての座標系に於いてという意味での"絶対"ではありません。

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