◆ステーション5建造(6);2001年宇宙の旅CG再現
space-station-5建造(6):プロポーション調整
映画「2001年宇宙の旅」の"宇宙ステーション5"をCGで作っていきます。
ここでは、映画の各場面を参考にし、プロポーションの調整を行いました。
(1)リング |
(2)糸巻き |
(3)スポーク |
(4)ドック |
(5)骨材 |
(6)バランス |
(7)動画 |
(8)底面 |
(9)連結部 |
(10)orion |
終了 |
シーン1
本物は糸巻き部の端がもう少し太いような気もしますが、他のシーンでは小さく見えます
のでこの程度にしました。
CGの鉄骨は少し大きすぎます。
カメラはステーションに近づいていきます。
シーン1-2
シーン1の続きです。かなり近寄ります。
本物は糸巻きのくびれ部はもう少し細いのかも知れません。リングに落ちる影が
大きすぎるように見えます。
シーン2
遠くにあるという事以外、向き、距離ともきちんと合わせていません。
左手前からオリオン号がステーションを追っていきます。
(オリオン号はここではまだ作成していません。オリオン号の作成記事は
[◆ステーション5建造(10);2001年宇宙の旅]に載せました)

シーン3
右手前から奥へ進むステーションをオリオン号が追いかけます。
シーン1,2と、シーン3,4,5では回転方向が逆になっています。
シーン1,2はリングA側(完成している側)から見ると時計回りですが、シーン3,4,5 ではリングA側から見ると反時計回りになります。

シーン4
オリオン号が向こう側から回転しながら近づいてきます。
CGのスポークが少し大きすぎるかも知れません。
シーン5
左上方からオリオン号がドックに進入しようとします。
カメラは2つの輪の間を縫うように進みます。
映画ではこれら5つのシーンの他、オリオン号の操縦席から見た 次の2つのシーンがあります。
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やはりCGのスポークは太すぎるように見えます。
ドックの口は小さすぎるようです。
施した修正
第5版に対して次の修正を行いました。- リングBに建造中の内壁を作成
- リングBの切り取り部の形を変更
- リングBの鉄骨の梁の間隔を狭くした
- 糸巻きのくびれ部の形状調整
- リングと軸のサイズ調整
- 窓を1つの発光オブジェクトとそのリンクに変更
- スポークを外側へ移動(軸のドックに突き出ていたため)
リングBの内壁の作成は閉じた線形の回転体を作成し、ブーリアン演算 で切り取りました。さらに、リングAに入れてあった構造内部の穴の ブーリアン演算をこの内壁部に移動しました。
リングBの切り取り形は映画では直線ですが、イメージではでこぼこして いたので少しでこぼこさせました。
### 余談:回転方向の不一致
回転方向が変わるのは、車輪がゴロゴロと転がるような動きに見えるのを
嫌ったためだと思われます。
例えばステーションが縦で右から左に流れる場合、下端が右に動いている
と転がっているように見えます。下を左に動かすことにより、すべる
ような絵となります。
絵によっては回転の向きが変わってしまいます。
撮りたい絵と、転がり感を嫌うことと、正確さの中でどれかを捨てる
必要があると、正確さを捨てたのです。
「2001年宇宙の旅」はキューブリックに撮りたい絵とアイデア
があり、これをクラークの物語と科学的正確さと哲学的深さで裏打ち
し、その上で、全てを差し置いて絵としての完成度を重視したのです。
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