◇はい・いいえ;真・偽;true・falseのすすめ
僕はタバコは吸いません。
よくある質問形式にyes/no質問があります。
- 次の質問にyes/noで答えなさい
- 私はタバコは吸いません
「はい」「いいえ」なら何の問題もなく「はい」です。
- 「はい」「いいえ」は論理語であり、与えられた 命題の論理肯定、論理否定を示しています。
これに対し
- 「yes」「no」は「真」「偽」がそうであるという意味での論理語 ではありません。
この質問だと「No,I do not smoke.」となりますが、Noは後ろの 文の要約であって、元の命題(I/You do not smoke.)の論理肯定/ 論理否定ではありません。yes/noは非・論理語なのです。
文が英語でないものに対してyes/noで答えろというのは無理が あります。
論理語としてではなく、相槌としての「はい」も
ありますが、通常は状況で区別が付きます。
「はい、はい、はい」という殆ど否定、それも
議論そのものを完全否定するような使い方もされます。
ただ、これは、本来の意味ではなくいわばトリックとしての
使い方です。これをもって「はい」の意味を推測することは
間違っています。
日本語は論理的(論理学的)でとても硬い文法を持っています。
せっかく論理的(論理学的)な日本語を使っているのですから、
- 論理質問の答えは 「はい」「いいえ」にしましょう。
### 他の言葉は?
英語以外の言語も日常で使う否定/肯定はやっぱり非・論理なのでしょうか?
ウィ/ノンとかダー/ニエットなんてのもyes/noといっしょなんでしょうかね?
非西洋の言葉はどうなんでしょう。
日本語と同じように論理語を使う言語もあると思うのですが、どうなんでしょうね
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「Xは(YがZ)である」という論理構造や、「でにをは」による文法
上の機能の明示化、「~する」「~な」といった形態による品詞
の明示化、条件を始めに述べる、対象を先に述べる、文の終わり
がかなり明確である、等々、日本語はガチガチの論理文法を
持っています。
殆ど非人間的といっていいほど論理学的ですので、日常の会話
や文章にそのまま用いるのには余りにも硬すぎます。
このため昔から、
- 柔らかく、曖昧にする工夫
論理の曖昧化手法の代表的なものは2つ
- 文を終了させない
- 否定疑問、擬似否定疑問(~ない?)を使う
擬似否定疑問はまさに"論理の敵"とも言えるもので、日本語を柔らかく するのに大変重宝します。
yes/noが非・論理語になった理由も否定疑問にあるのではと考えたりもしています。
擬似否定疑問については [◇否定疑問]に記事を載せました。
### 「で」にをは
あえて「で」としています。これもそのうち
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英語のyes/noは非・論理語なのですが、時々混乱も起こっている
ようです。
映画で次のようなシーンを見ました。
- 王女:Father, You don't love me!
- 王様:No! I, i, i, I mean yes. I love you.
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「非・論理語」という表現は英文法が非論理的だと言っている
訳ではありません。true,falseのような論理語ではないと言っている
のです。「非論理語」と書くと字面上勘違いしそうなので"・"を入れました。
### 2008/5/4
"yeah"というのはYesとは違うのでしょうか?次のような文がありました。
- (This is)Not so old-fashioned.
- yeah, this isn't old fashioned.
あるいは、王様の例と同じく、思わず口に出る論理的(非英語的)表現 なのでしょうか?
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