■2001年宇宙の旅、ディスカバリー号の構造
映画「2001年宇宙の旅」を見てディスカバリー号の内部構造は 一体どうなっているんだろう?人工重力(遠心力)居住区はどこにどう おさまっているんだろう?と疑問を持った人も多いと思います。
同じものをYouTubeでも見ることができます。
http://www.youtube.com/watch?v=SOEEZwcmrBs
残念なことにディスカバリー号の設計図は廃棄されてしまったとの
ことで、正確な構造は分かりません。
ここでは次の大まかな情報
- 頭の球体は直径12mくらい
- 人工重力(遠心力)居住区の直径は10mくらい
- ポッドの直径は2mくらい
内部構造図
左舷側から見た図です。
球体後方の襟巻き状の構造に沿う形で人工重力居住区があります。
ポッドベイのフロアには、エアロックと、機材保存室があります。
機材保存室は若干斜めに設置されています。AE35ユニットの交換
部品を取り出した8角柱の部屋です。
機材保存室と斜めにぶつかるような形でエアロックがあります。
ボーマンがヘルメット無しで飛び込んできた部屋です。
上から見た図です。
操縦席の後ろにスイッチ室とでも呼ぶべき部屋(図では黄色)
があり、その後ろに通路および交差部(紫)があります。
交差部ではスイッチ室、左舷からの通路、
人工重力居住区への通路、
右舷下部の制御室への通路が交差します。
さらに、スイッチ室にはHALのメモリ室への入り口もあります。
右舷側から見た図です。
右舷側操縦席フロアにはHALのメモリ室があります。
ポッドベイフロアには制御室があります。
制御室の奥には操縦席フロアへの梯子があります。
映画の中での移動

ボーマンはプール飛行士が流されたことに気が付いて、操縦席から
ポッドベイに行こうとします。
画面では、席を立ち、左舷後方への梯子を"降ります"。(前面が
上になるような画面なので後方へは"降りる"形です)
(左舷から右舷側への移動は画面には現れません)
次のシーンでは右舷制御室につながる梯子を降りてきます。
そしてポッドベイに行きます。
(見づらいのでポッドは省略しました)
エアロック突入のくだりでは、
エアロックから入ってきたボーマンは、ポッドベイを突っ切り、制御室
に入り、制御室奥の梯子を上ります。
階段から通路交差部へ移ります。
次のシーンでは通路交差部からスイッチ室に現れ、鍵を取り、
HALのメモリ室へ入っていきます。
頭部の球体の直径を12mとしましたが、実際は13mくらいあるのでは
と思っています。せめて12.5mは欲しい。
また、ポッドの直径は1.9mくらいではないかと思います。
首の襟巻き状の構造と人工重力(遠心力)居住区がひょっとすると
関係を持っている可能性があります。襟巻き部に収まるのかも
しれません。
通路交差部の構造は謎のままです。人工重力
居住区への通路は操縦席フロアより少し下になりますので、
交差部は高さの違う口をつなぐことになります。
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映画「2010」ではディスカバリー号はでんぐり返るような回転を
していました。これは人工重力居住区の回転が止まったため
そのモーメントによるものだとされています。
しかし、どうみてもそういう方向に人工重力居住区を配置
することは出来ないと思うのです。
操縦席の上は無理ですし、操縦席とポッドベイの間、ポッド
べイの下も無理です。
なお、あえて説明するまでもないとは思いますが、冒頭のビデオで ディスカバリー号が回転しているのは単に形状展示のためで あって、人工重力関連の話とは無関係です。
### 更新(12/08):"補"記述を「三日月号発進」から移動
### 20018/03/12
flashビデオをYouTubeに置き換えました。
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