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◆タイムマシン・トリック

もちろん、まともな物理の話ではありません。
これはタイムマシンのトリックです。
さして巧妙という訳でもないのですが、ひっかかる人もいます。

先ず、最初の最初に一線を越える

いきなり「光速を超えたら」という話になります。
こうすると土台を不安定なものとし、きちんとした議論が しづらくなり、トリックが 見破られ難くなります。

都合の悪いもの、虚数など、は見なかったことにする

光速を超えると時間が逆転するという説があります。
その根拠はローレンツ変換 らしいのですが、ローレンツ変換では光速を超えると、時間は虚数になってしまいます。

でも、そんなものは対象としません。マイナスだけを見るのです。

不思議なのは、なぜ、いつ、誰が「光速を超える と時間が逆転する」と言い出したかです。
しかも、それが語り継がれている。


都合に合わせて適用を切り替える

光速を超えるのは難しいので、さしあたって光速を目指しましてみましょう。
光速を超えれば時間が逆転するとすれば、光速だと時間が止まる ので、過去への旅の前に、まずは、出発した時点に戻る旅を目指しましょう。

さて、光速で走るものの代表といえば光です。
月に鏡を置いて、光を発し、戻ってきた光を受ける。
時間は止まっているはずなので、光は放つと同時に戻ってきます。
。。。。本当でしょうか?

月までは38万Kmくらいですので、光速(30万Km/sec)での往復には2秒ちょっとかかります。
放つと同時に戻ることはありません。

ほんの少しだけ光速を超えると、いきなり同時より以前に返るのでしょうか?
そんなことはありません。2秒かからないとしても、過去には行きません。

このままではタイムマシンは不可能ですので、 光速までは旅行者の時間、光速を超えると待機者の時間が縮む/逆転 するとし、つながりは完全に無視します。

話のすり替えと立場の置き換え

最後のトリックには相対論すら必要ありません。

場所を、例えば新宿と渋谷としましょう。情報のやりとりは全て音で行っている とします。
音速を超えることはできます。

先ず、新宿から超音速で渋谷に移動します。
この時、渋谷に未来の新宿の情報をもたらすことになります。
そこで、新宿にやはり超音速で戻ります。
新宿に渋谷の未来の情報をもたらすことができます。

  • 渋谷に未来の新宿の情報を持って行き、
  • その渋谷の未来の情報を新宿に持ち帰る
即ち
  • 未来の新宿から渋谷へと、過去への旅をし
  • その渋谷から、さらに過去の新宿へと旅をした
のですから、タイムマシンが成立しているのでは?
いえいえ、そんなことはありません。

これは、同時とは何かという問題です。
情報がやってくるのを同時と言い換えているのです。
新宿に持って帰れる情報は、最初に新宿を出た時点の 情報に過ぎません。新宿の未来の情報を新宿にもたらす ことはないのです。

音速でさえタイムマシンができそうなこのトリックは、 もちろん、光速で使われ、さらに見破られ難くなります。

### 数学の復習

普段数式に触れている人にとっては常識でしょうけど、復習。
ルートAとルートBの掛け算がルートABとなるのはA,Bともに正の 値の時だけです。
これを忘れると

というような間違いが起こります。

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