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◆先円後方墳と波頭水紋土器;考古学に於ける命名

「前方後円墳」という名前を聞いて「なぜ四角い方が前なのか?」という 疑問を持った人は多いのではないでしょうか?
回答として「四角い方は舞台であり、そこで祭事が行われた から」などとされています。
ただ、 それにしては四角'前面'側に階段があったり、参道が延びていたり、 広場があったりはしていないようで、どうも、根拠として薄い 気がします。
普通の感覚では円の方が'先'で四角い方が'後'と思います。
もし、円でなく三角で全体が船の形であれば、たとえ、四角 部分で祭事が行われたとしても、三各の切っ先部が'前'と言った のではないでしょうか?

写真は長野県にある「森将軍塚古墳」です。
盆地に張り出した半島のような山の上に作られた"前方後円墳"です。
里の側に円側があります。
さて、仮に古代の人が円側が後ろとみなしていた場合、里に後ろを 向けるでしょうか?
やはり里に向いている円の側が顔側で四角の方が尻側と捉えるべき でしょう。


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実のところ、そもそもこの「前」「後ろ」という言い方に意味があるのか というのも疑問です。
単なる名づけなので「どうでもいい」問題だとも言えます。その場合、 教科書などでは「前、後ろというのは単に 名前であって深い意味はない」と明記した方がいいと思います。(あるいは 今は明記されている?)

もう一つ名前に疑問を感じていたものがあります。
火焔土器(火炎土器)です。

「火炎」と言われず、素直な目でみると、

逆巻く渦と波頭

に見えます。
仮に最初にこれが「波頭水紋土器」 などと名づけられてられていたら、何の疑問もなく、水の 模様だと思うのではないでしょうか。
これも単なる名前だから「どうでもいい」問題かも知れません。

### グダグダ
考古学は、科学ではなくロマン溢れる文学の一環だ、と見てしまって いる部分があります。
今回の名づけの正当性など、古代人でない限りどれが正しいかなど 分かりません。
昔の人が名づけたといっても、江戸時代や鎌倉時代では既に古代人 の感覚ではないでしょう。
なんらかの名前は必要だし、それについて細かなことをいっても 仕方ない。
てことで、今回の2題はいずれも小学校時代から
「違うと思うけどなあ」
「でも、あえて指摘するような問題でもないか」
という微妙な感覚を持ち続けているものです。

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